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クロスファイア(上)(下)  宮部みゆき 

クロスファイア(上) (光文社文庫)クロスファイア(上) (光文社文庫)
(2002/09/10)
宮部 みゆき

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クロスファイア(下) (光文社文庫)クロスファイア(下) (光文社文庫)
(2002/09/10)
宮部 みゆき

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【あらすじ】
とある廃工場で、ひとりの男性の刺殺死体と複数の焼死体が発見された。
出火の原因は不明。またその火災は、人工的に起こすには限りなく不可能に近いものだった。
だが、過去にも今回の火災と似たような事件が起こっていた。
そのことを知った女性刑事、石津は事件の真相を探ろうとする。
また、その火災の原因である女性、淳子。
彼女は生まれながらに特殊な能力を持ち、その力を使い社会に蔓延る悪を自ら排除するという使命を自らに課していた。
廃工場での事件など、今まで単独で動いていた彼女だったが、その彼女の前に同じ力を駆使するガーディアンと名乗る組織が現れる。
彼女を同じ考えを持つ同士として、スカウトするために。
淳子にとって、ようやくの居場所となるはずだったガーディアンの内情が明らかになるにつれ、事件の真実が明らかになる。


【感想】
念力放火能力という特殊な力を持って生まれてしまったがために、自らを人間ではなく、悪者を排除するための銃と認識している淳子。
この能力故に小さい頃から人との関わりを意識して避けなければならなかったという過去を持つ彼女は、それでも社会との関わりを持ちたかったのだと思います。
それが、自らを銃という凶器と化し、社会の悪を退治し被害者を救おう、彼らの無念を晴らそうとしていた行動に表れていた気がします。
ですが、罪を犯した者を同じように罪を以って罰すれば、その行動は悪となり、ますます恐れられるようになってしまう。
正義と悪は紙一重の関係。
少しでも正義の刃が方向を間違えば、たちまち悪と変わらなくなってしまいます。それでもそのような形でなければ、彼女は社会とかかわりを持つことが出来なかったのではないでしょうか。

そんなぎりぎりの生活の中、ガーディアンという組織が彼女の前に現れます。
ガーディアンには、淳子のような能力者が多数在籍し、徹底した管理の下自らの力を社会のために使っている。
また同じような境遇を持つ、能力者の浩一の存在も彼女にとってガーディアンという組織に傾倒する大きな力になったのだと思います。
大きすぎる能力を持つが故、孤独を選ばざるを得なかった彼女が、ガーディアンという決して正しくはないけれども、淳子を受け入れる組織が現れたとき、彼女は銃という凶器ではなく人間として存在することが出来たのだと思います。

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